大学入試共通テスト2020 数学編①

少し早いですが、来年1月に名称を変えて初めて実施される予定の 大学入試共通テスト の内容の予想などをしてみたいと思います。高校生指導での私の専門は数学なので、まずは数学から大まかな予想・推測をしていきます。

現在も日々刻々と変更の情報は公開されており、完全に情報が落ち着くまでにまだ半年くらいはかかりそうですが、大学入試センター作成のプレテスト(試行調査)が今までに数回実施されているようです。今日は数学Ⅰ・Aの予想、数学Ⅱ・Bについてはまた別の日に。

数回のプレテストを見る限り、基礎知識は今までと同じで大丈夫ですが、とにかくやたらと文章が長いので、まるで国語のテストを受けているかのよう。70分と10分延長され、15点分の記述問題(証明の記述とかでなく数式の記述が多い)はとりあえず不採用となりましたが、これは記述試験とは言えずマークシートでも解答出来そうです。なかなか良い問題です。
配点は数Ⅰが60点、数Aが40点は変わらないようです。とにかく登場人物と対話文が多く、全部読んで内容把握するだけで30分以上かかるほどの長さです。知識を運用し、思考力と判断力を問うのが目的だそうで、なるほど実際の日常生活での話が強引に題材にされたりしています。これは読むトレーニングや焦らずナビゲーション通りに把握する能力が無いと時間切れ確実です。計算して数字を当てはめていく単純明快な数十年も続いたパターンと比べて真逆と言えるほど対照的です。5択とか8択とかの問題の方が多いくらいで、物理や化学の選択肢のような感じも強く、100点も0点も取りづらい得点分布になるでしょうね。実際に時間を計って解いてみていないのでどんな塩梅になるのかちょっと想像もつきませんが、これはマイナーチェンジではなくフルモデルチェンジに近いですね。物語を読むかのように楽しんで70分没頭するのが必勝法でしょう。確かに計算量は半分以下になってる感じです。数学のテストというより、ナビゲーションに従って推理クイズを解いている雰囲気です。

また、実際に時間を計って解いてみて、感想と傾向をここに書きたいと思います。解くための基礎知識については変わりはありません。慣れだけかもしれません。慣れてしまうと数学っぽくないと批判が起き、数年後また戻るかもしれませんね。一見した感じでは、本当の数学力とはこれとは違うんではないかな、というのが私見です。あっても価値はありますが、全編通して数学らしさを消すのは極端過ぎるな、と完全に思います。
一番分かりやすいのがテストのページ数、今まで12ページくらいだったのが、プレテストは30ページ前後。
来年度版の新テスト対策の問題集は各社作成出来るのでしょうか。的外れな問題も多く作成されそうで、数回催される河合塾などの模試の問題が貴重なイメージトレーニングの機会になりそうです。