口答えをする生徒と対処法 💂‍♀️

昨日のブログで、テストを隠す・クシャクシャにする・見せない・終いには先生のせい(他人のせい)の発言をして辞めて行く繰り返しをする困った生徒の話で、口答えが異常に多い生徒がその殆どである事に少し触れました。

今日はその、口答えする生徒の特徴とその対処法を考えてみたいと思います。

「口答え」とは、目上の人(立場の違う人)に対して逆らって意見を言う事や都度言い返す事を言います。皆様のお子様はどうでしょうか。「意見」と「口答え」は似ているようで全く異なります。「口答え」とは、立場を弁えない「意見」だからです。

教師と生徒の関係は全くこれに当て嵌ります。
ここ数年、200人を超す生徒を指導して来ましたが、ほぼ0人に近いほど居ませんでした。がしかし、現在25人ほどの生徒の中に2人も残念ながら居ます(必然なのか兄妹です)。繊細な歳頃なので遠回しにアドバイスして行かないといけませんので、普通の口答えしない生徒の数倍神経を使います。非常に疲れますし、時にはカチッと来ます。学校の先生相手にしてしまえば、評定急落が必至です。

口答えが癖になってしまっている生徒の特徴を考えて見ました。

① 負けず嫌い
② 自分の方が偉いと思っている(相手を見下す気持ちがある)
③ 認められたい
④ こだわりが強い(思い込みが強い)
⑤ 視野が狭い
⑥ 常に自分が正しいと思っている(目上への反抗心も強い)
⑦ 空気が読めない(相手を思いやれない)
⑧ 自分の思い通りにしたい(我が異常に強い)
⑨ 失敗を認めたくない(悪い意味でプライドが高い)
⑩ 過信(過剰な自信)がある

このような心理が異常に過度であると言えるでしょう。
勿論全てがいけない事ばかりではありませんが、度が過ぎると全てが最悪の方向に向かいます。これが原因となって決定的な評定降下を多教科で連鎖反応し、大きくランクを落とした高校しか受験させて貰えなかった生徒を数え切れないほど見て来ました。受験で損をするだけでなく、人間的にも人生に於いても、大人になって社会に出ても圧倒的に不利になるだけでなく、相手も傷付け続ける人間になってしまいます。罪深いです。

自分の立場や状況を客観的に見られない人ほど、自分の立場を弁える事が出来ません。「うんうん、知ってる知ってる」が口癖の生徒が居ますが、上の①〜⑩の殆どに当て嵌る分かり易い口癖だと思います。まず返事は「うん」ではなく「はい!」ですね。「うん」と目上の人に使うくらいなら、黙って頷く方がよっぽど印象が良いです。
 
また、承認欲求が強く、口答えだけでなくいろんな所に口を挟む事で存在をアピールする焦りが見られます。そもそも立場が違うという意識も希薄なので口答えしている自覚も無く、一つ一つの相手の発言やアドバイスに対して少しでも納得がいかなければ不満で突っ掛かります。自分が正しいと思い、こだわりが非常に強く、視野が狭いのですね。「まだ子供なのだから仕方無い」と仰る保護者様も居られるかもしれませんが、頭の柔らかい子供だからこそ喫緊に矯正する必要があるのです。

特に⑨の「失敗を認めたくない」は顕著な傾向で、失敗やミスを指摘されたりアドバイスされた時に素直に謝罪が出来ず、失敗を認められないケースが多いです。自分の失敗や良くない所を認められず、誰かのせいにして責任逃れをしたり、話を逸らそうとしたりします。実は打たれ弱く、虚栄心(自慢話)が強い人に多く、常に自分を正当化しようとこだわり引きません。

メリットは、立場を越えて(空気も読まないのは別で大問題ですが)自分なりの考えを持っている所でしょうか。言う言わないに拘らず、持っている事は評価してあげないといけないでしょう。自立心の強さもあると言えますね。

しかし、デメリット・短所の方が圧倒的に大きいです。
人の気持ちを考えられない、信頼関係が築けない、相手の立場や尊重・尊敬の念(リスペクト)を持てなければ、どのような相手であっても信頼関係を築く事など出来ません。

ところで、口答えする生徒は子育てが原因なのでしょうか。

「どんな時でも自分の意見を言いなさい」
「黙って先生や人の言う事を聞きなさい」

ほぼ真逆な子育てですが、どちらも口答えする子供を育ててしまうようです。どちらも正しくない子育てという事になります。相手の立場や気持ちを考えて、case-by-case で対応する事を教えないといけません。

口答えの原因は子育てが全てとは言いませんが、子育てによる影響もあると考えるのは、それほど的外れな事ではないでしょう。

口答えとは、子供が背伸びし始めた証でもあります。
人は失敗を通じて学び、成長する生き物です。

私の「口答えする生徒の対処法」は、難しいですが、その口答えをじっくり聞いてあげる事、頭ごなしに否定はせずに立場や礼儀を教える事でゆっくり気長に悪い癖を直してあげる事、そんな事を徹底的に優しい心で聞き、話して聞かせてそれを一つ一つ繰り返す、それしか方法はありません。

何度話して聞かせても口答えが繰り返されるようなら、今は無理なのかもしれません。ひょっとしたら一生無理なのかもしれません。そのくらい一度身に付いてしまった癖を矯正する事は大変な作業です。私はかなり気の長い性格もあり、あまり苦痛に思わず、可能ならば矯正してあげたいな、と思い指導しています。

教育とは勉強を教える事だけではありません。
生徒によっては、もっと他に先にすべき教育もあります。
塾や家庭教師だからといって、目を背けるなんて事は私はしませんし、出来ません。あくまでも”可能な限り”ですが。